コラム
スキッドステアローダーとはどんなもの?特徴やホイールローダーとの違いも解説!
2025.09.26

スキッドステアローダーとはどんなもの?特徴やホイールローダーとの違いも解説!

建設現場や農場、除雪作業などで幅広く活躍している「スキッドステアローダー」。その小回り性能と汎用性の高さから、多様な現場で重宝されています。本記事では、スキッドステアローダーの仕組みや用途、ホイールローダーとの違いについて、専門的な視点で詳しく解説します。導入を検討している方や機械選びで迷っている方は、ぜひ参考にしてください。

スキッドステアローダーとはどんなもの?

スキッドステアローダー

スキッドステアローダーとは、左右の車輪を独立して制御することで方向転換する、小型で高機動な作業車両です。
「スキッド(Skid)」とは「滑る」という意味、「ステア(Steer)」は「操縦する」という意味を持っています。つまり、スキッドステアローダーは、左右のタイヤの回転速度を変えることで「滑るように」旋回する機械です。通常の車両のようにハンドル操作によって前輪を曲げるのではなく、左右のタイヤに異なる動きを与えることで、その場で360度回転が可能です。狭い場所での作業や、細かい位置取りが求められる場面で特に力を発揮し、建設現場、農業、除雪作業など幅広い分野で利用されています。また、アタッチメント交換が容易であり、バケット、フォーク、除雪ブレードなど多彩な装備に対応できるのもスキッドステアローダーの大きな魅力です。

スキッドステアローダーの用途について

スキッドステアローダーは、その小型で高い機動性を生かし、多岐にわたる用途で使用されています。主な用途は以下のとおりです。

【建設現場】

建設現場では、狭いスペースでの資材運搬や整地作業に活躍します。特に大型重機が入れない場所での作業に最適で、バケットを使って土砂の積み込みや移動をスムーズに行うことができます。

【農業分野】

農場では、堆肥や飼料の移動、農作物の積み込み作業に使われています。コンパクトな車体と優れた旋回性能により、牛舎や温室など狭い場所でも取り回しがしやすく、作業効率を大幅に向上させます。

【除雪作業】

冬場には除雪用アタッチメントを装着し、道路や駐車場、施設周辺の除雪作業にも活躍します。通常の除雪機では対応が難しい細かいエリアでも、小回りを生かして効率的に雪を除去することが可能です。

このほか、舗装作業、樹木伐採、資材運搬などにも対応でき、アタッチメントを交換することで多目的に活用できるのが大きな特徴です。

スキッドステアローダーの構造について

スキッドステアローダーは、独自の構造によって高い機動性を実現しています。最大の特徴は、左右の車輪を別々に駆動できる点にあります。

【基本構造】

  • 両側の車輪を個別に制御できる油圧駆動システム
  • 小型で頑丈なシャーシ設計
  • 重心が低く、安定性が高い

通常の車両とは異なり、ステアリング機構(ハンドルによる前輪操舵)が存在しません。左右の車輪を別々に駆動することで、その場旋回や極めて小回りの利く動きを可能にしています。これにより、狭い作業現場でもストレスなく動き回ることができます。

【アタッチメント取り付け部】

スキッドステアローダーは、標準のバケット以外にも多種多様なアタッチメントを取り付けられる構造になっています。油圧カプラーやクイックカプラーにより、簡単にアタッチメントを交換できるため、用途に応じた作業効率の最適化が可能です。

【駆動方式】

基本的に4輪駆動であり、すべてのタイヤに駆動力がかかります。これにより、不整地やぬかるみなどでも高い走破性を発揮します。スキッドステアローダーのこの特異な構造こそが、狭所作業や多目的運用を可能にしているのです。

スキッドステアローダーの特徴は3つ

スキッドステアローダーの主な特徴は、次の3つにまとめられます。

  • ①360度旋回可能
  • ②ハンドルがないこと
  • ③アタッチメントが豊富にあること

それぞれの特徴について、詳しく解説していきます。

①360度旋回可能

スキッドステアローダーは、左右の車輪の回転速度を制御することによって、その場で360度旋回が可能です。前進しながらでも、停止状態からでも自在に向きを変え られるため、狭い場所での作業や頻繁な方向転換が求められる作業に非常に適しています。一般的な車両では必要となる切り返し操作が不要なため、作業効率が大幅に向上します。また、旋回半径が極めて小さいため、都市部の建設現場や狭い農地などでもストレスなく運用できるのが大きなメリットです。

②ハンドルがないこと

スキッドステアローダーには、一般的な車両にある「ハンドル」が存在しません。代わりに、レバーやジョイスティックを使用して左右のタイヤの駆動をコントロールします。左右のレバーを前後に動かすことで、それぞれのタイヤの回転を調整し、前進・後退・旋回といった動作を行います。 この独自の操縦方式により、複雑なステアリング機構が不要となり、メカニズムの簡素化と高い耐久性を実現しています。初めて操作する際は多少の慣れが必要ですが、慣れてしまえば非常に直感的な操作が可能となり、作業効率が大きく向上します。

③アタッチメントが豊富にあること

スキッドステアローダーのもう一つの大きな特徴は、使用できるアタッチメントの豊富さにあります。 標準装備のバケットに加え、フォーク、グラップル、除雪ブレード、アスファルトカッター、掘削機など、作業内容に応じたさまざまなアタッチメントを装着可能です。アタッチメントの交換は、油圧カプラーやクイックヒッチ機構を使えば、短時間で簡単に行うことができます。 これにより、1台のスキッドステアローダーで複数の作業をこなすことができ、機械導入コストや維持管理コストを抑えることが可能となります。現場のニーズに合わせて自在にカスタマイズできる点も、スキッドステアローダーが高く評価される理由の一つです。

スキッドステアローダーのメリットは3つ

スキッドステアローダーには、以下の3つの大きなメリットがあります。

  • ①小回りが利いて便利
  • ②メンテナンスが楽にできる
  • ③価格が安価であること

それぞれについて詳しく解説していきます。

①小回りが利いて便利

スキッドステアローダー最大の強みは、小回り性能の高さです。 その場で360度旋回できるため、狭い現場や複雑な地形でもスムーズに作業できます。特に建設現場や農場などでは、大型重機が進入できない狭小スペースでの作業が求められることが多く、スキッドステアローダーならそうした状況にも柔軟に対応可能です。また、切り返し操作が不要なため、作業時間の短縮にも大きく貢献します。 細かな位置調整が必要な積み込み作業や、限られたスペースでの除雪作業にも最適です。

【ポイント】

  • 狭い作業現場で圧倒的な取り回し性能
  • 作業効率が大幅にアップ
  • 現場の作業ストレス軽減に貢献

②メンテナンスが楽にできる

スキッドステアローダーは構造がシンプルなため、メンテナンスが容易です。 ステアリング機構や複雑なサスペンションシステムを持たないため、故障リスクが低く、日常点検や修理作業も短時間で完了します。また、多くのモデルではエンジンカバーが大きく開閉できる設計になっており、エンジンルームへのアクセスがしやすい点も魅力です。 オイル交換やフィルター交換、各種点検作業をスムーズに行えるため、ダウンタイムの短縮と維持費の削減が可能となります。

【ポイント】

  • シンプルな構造で点検・修理が容易
  • 故障リスクが低く、稼働率を維持しやすい
  • メンテナンスコストを抑えられる

特に、頻繁に稼働させる現場においては、日常的なメンテナンス負担の軽減が大きなメリットとなります。

③価格が安価であること

スキッドステアローダーは、他の建設機械に比べて車両価格が比較的安価に設定されています。コンパクトな車体設計と簡素な機構により、製造コストが抑えられているためです。新車だけでなく、中古市場でも多く流通しており、比較的安い価格帯で優良な車両を入手することができます。また、豊富なアタッチメントを活用することで、複数の用途に対応できるため、1台で多目的に使えるコストパフォーマンスの高さも魅力です。

【ポイント】

  • 初期投資を抑えられる
  • 中古市場でも優良車両が多い
  • アタッチメント交換で多用途活用が可能

初めて導入を検討している事業者にも、非常に手が届きやすい選択肢となっています。

スキッドステアローダーのデメリット

スキッドステアローダーは非常に便利な機械ですが、いくつか注意すべきデメリットも存在します。
まず、舗装された路面での走行には向いていません。旋回時にタイヤが路面を引きずるような動きをするため、アスファルトやコンクリート舗装を傷める恐れがあります。そのため、主に未舗装の地面や作業現場での使用に適しています。また、構造上、足回りへの負担が大きく、タイヤの摩耗が早い傾向にあります。定期的なタイヤ点検と交換が必要となり、ランニングコストには注意が必要です。さらに、操作には独特の慣れが必要で、初心者には最初やや扱いづらく感じるかもしれません。しかし、一定期間練習すれば、スムーズな操作が可能となります。
これらの特徴を理解したうえで、用途に適した現場で運用することが重要です。

ホイールローダーとスキッドステアローダーの違いを解説します

ホイールローダーとスキッドステアローダーは、用途や構造、走行性能に大きな違いがあります。ここでは、それぞれの特徴や使用シーンを比較しながら、両者の違いを詳しく解説していきます。

ホイールローダー

ホイールローダーの用途について

ホイールローダーは、建設現場や農業、畜産業など幅広い分野で活躍している建設機械です。特に、土砂や資材の積み込み・運搬作業に適しており、大型現場での効率的な作業を支えています。

【畜産業・農業での活用】

  • 畜産業では、牛舎の清掃作業や飼料の運搬に利用されています。
  • 農業では、堆肥の積み込みや農作物の移動作業に役立っています。

【整地作業・除雪作業での活用】

  • 建設現場では整地作業に使用され、道路や建物の基礎工事に欠かせない存在です。
  • 冬季には除雪用バケットを装着して、広範囲の除雪作業にも対応しています。

大きなバケットと高い積載能力を持つホイールローダーは、広い作業スペースで力を発揮します。一方で、小回り性能はスキッドステアローダーに劣るため、広範囲かつ大量の作業が求められる場面に適しています。

ホイールローダーの構造について

ホイールローダーは、主に車体中央部にヒンジ(関節)を持つ「アーティキュレート式構造」を採用しているのが大きな特徴です。 この構造により、前輪と後輪の間を折り曲げる形で車体を操舵し、滑らかな旋回動作を実現しています。

【アーティキュレート式の特徴】

  • ハンドル操作により車体中央が屈折し、スムーズに旋回できる
  • 旋回半径が比較的小さく、ある程度狭い場所でも運用可能
  • 安定感があり、大きな荷物を持ったままでも走行しやすい

また、ホイールローダーには大型のバケットが前方に取り付けられており、土砂や資材の積み込み作業に最適化されています。 油圧シリンダーによりバケットの上げ下げや角度調整が行えるため、高所への積み上げ作業にも対応できます。

【駆動方式】

  • 4輪駆動が標準装備されており、悪路や不整地でも高い走破性を発揮
  • タイヤは大型かつ太めで、地面への負荷を分散しやすい設計

【その他の特徴】

  • キャビン内は広く、長時間作業でも疲れにくい設計
  • エアコンや暖房、視界確保のための大きな窓が装備されているモデルも多い

ホイールローダーはパワフルな作業性能と高い安定性を持ち、主に大規模な建設現場や農場、除雪作業などでその力を発揮します。

ホイールローダーとスキッドステアローダーの違いはここ!

ホイールローダーとスキッドステアローダーは、用途や構造に大きな違いがありますが、特に注目すべき違いは「旋回方法」にあります。

【ホイールローダー】

  • 車体中央の関節(アーティキュレート)を折り曲げて旋回
  • 広いスペースでのスムーズな方向転換が得意
  • 大量の土砂や資材の運搬、大規模な整地作業向き

【スキッドステアローダー】

  • 左右のタイヤの回転差で、その場で360度旋回可能
  • 狭いスペースや小回りが必要な現場に最適
  • アタッチメントを交換することで多目的に使用可能

つまり、広範囲で大量作業を行うならホイールローダー、狭い場所で小回りを活かした作業を行うならスキッドステアローダーが適しています。また、ホイールローダーは大型でパワフルな反面、機体価格や維持費も高くなりやすい一方、スキッドステアローダーはコンパクトで低コストに導入できるというコスト面での違いもあります。現場の規模や作業内容に応じて、適切な機械を選定することが重要です。

コンパクトトラックローダーとスキッドステアローダーの違いを解説します

スキッドステアローダーとよく比較される機械に「コンパクトトラックローダー」があります。 ここでは、用途や構造、走行性能の違いを中心に、両者の特徴を詳しく解説していきます。

コンパクトトラックローダーの用途について

コンパクトトラックローダーは、主に未舗装路や悪路での運搬作業・積み込み作業に使用されます。 ゴムクローラーを装備しているため、不整地やぬかるんだ地面でも高い走破性を発揮します。

【主な用途】

  • 土砂や資材の運搬作業
  • 農場での堆肥・飼料の運搬
  • 建設現場での資材積み込み作業
  • 砂地、雪上、湿地などでの作業

舗装されていない現場や、足場が不安定な環境では、タイヤ式よりもクローラー式の方が安定した作業ができるため、コンパクトトラックローダーが選ばれることが多くなっています。また、豊富なアタッチメントを装着することで、整地、除雪、掘削などさまざまな作業に対応できる汎用性も魅力です。

コンパクトトラックローダーの構造について

コンパクトトラックローダーは、ゴムクローラー(無限軌道)を採用している点が最大の特徴です。これにより、タイヤ式車両では走行が難しい軟弱地や不整地でも、高い安定性と走破性を実現しています。

【基本構造】

  • 駆動部はゴムクローラーで、地面への接地面積が広い
  • 低重心設計で、傾斜地でも転倒リスクが低い
  • コンパクトな車体ながら高い積載・牽引能力を持つ

クローラーにより、地面への荷重が分散されるため、地盤を傷めにくいというメリットもあります。これは農地やゴルフ場など、地面を保護しながら作業を行う必要がある現場において重要なポイントです。

【操作機能】

  • 操作方法はスキッドステアローダーと同様にレバーやジョイスティックで行う
  • 左右クローラーの回転差による旋回も可能で、その場旋回に近い動きができる
  • 油圧装置によるアタッチメント交換が容易

また、操作性も高く、直感的なレバー操作によって複雑な地形でもスムーズに作業できます。アタッチメントを装着すれば、掘削、整地、除雪など、多岐にわたる作業をこなせるため、非常に汎用性の高い機械といえます。

コンパクトトラックローダーとスキッドステアローダーの違いはここ!

コンパクトトラックローダーとスキッドステアローダーは、見た目や操作方法が似ていますが、駆動方式に大きな違いがあります。

【スキッドステアローダー】

  • 4輪駆動で、左右のタイヤ回転差で旋回
  • 硬い地面や舗装路での作業に向いている
  • 狭い場所での小回り性能が非常に高い

【コンパクトトラックローダー】

  • ゴムクローラーによる無限軌道駆動
  • ぬかるみや砂地、雪道などの不整地で優れた走破性を発揮
  • 地面への接地圧が低いため、地盤を傷めにくい

つまり、硬い地面や都市部での作業にはスキッドステアローダーが有利であり、 不整地や柔らかい地盤ではコンパクトトラックローダーが優位となります。また、クローラー式のコンパクトトラックローダーは悪路での安定性が高い反面、舗装路ではゴムクローラーの摩耗が早い傾向があるため、現場環境に応じた使い分けが重要です。

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まとめ

スキッドステアローダーは、小回り性能と多用途性に優れた非常に使い勝手の良い建設機械です。 360度旋回可能な機動力と、豊富なアタッチメントによる汎用性により、建設現場や農場、除雪作業など幅広い現場で活躍しています。一方、ホイールローダーやコンパクトトラックローダーと比較すると、それぞれに向き・不向きがあり、用途や現場環境に応じた機械選びが重要です。 舗装路中心ならスキッドステアローダー、不整地や悪路中心ならコンパクトトラックローダーが適しています。導入を検討する際は、それぞれの特徴とメリット・デメリットをよく理解した上で、最適な1台を選びましょう。適切な機械を導入すれば、作業効率が大幅に向上し、現場の生産性アップにも直結します。

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